2026年10月15日 | 障がい者グループホーム運営コラム

目標工賃達成指導員配置加算とは?要件から届出・採算まで完全解説

目標工賃達成指導員配置加算とは?

目標工賃達成指導員配置加算を検討しているものの、要件を満たせるのか、増員した人件費に見合うのかで判断が止まっていませんか?令和8年6月の改定で基本報酬の区分基準が引き上げられ、同じ工賃でも区分が下がりうる状態になりました。

この加算で判断が分かれるのは、加算を取れるかどうかではなく、工賃を上げられるかどうかです。小規模の事業所では加算だけで常勤1人分の人件費は賄えず、達成加算と基本報酬の区分上昇まで届いて初めて釣り合います。

この記事では、対象事業所と指導員の役割から、算定要件・必要人数の逆算・採算・届出までを順に解説します。この記事を読めば、自事業所が算定できるかを要件に照らして判定し、増員の要否と算定を始められる月まで見通せるようになるでしょう。

※本記事は2026年9月時点の情報をもとに作成しています。

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目標工賃達成指導員配置加算とは

目標工賃達成指導員配置加算は、工賃を上げる取り組みに専従する職員を置いた就労継続支援B型を評価する加算です。基準で必要な職業指導員と生活支援員に上乗せして目標工賃達成指導員を配置すると、利用者1人1日あたりの報酬に単位数が加算されます。

ここでは、どの事業所が対象になるのか、指導員が担う役割は何か、名前のよく似た目標工賃達成加算とどう違うのかを順に整理します。

加算の対象になる事業所

算定できるのは、就労継続支援B型サービス費(Ⅰ)または(Ⅳ)を算定している事業所に限られます。(Ⅰ)は前年度の平均工賃月額に応じて基本報酬が決まる区分で、(Ⅳ)は工賃の水準によらず利用者の就労や生産活動への参加を一律に評価する区分です。

(Ⅰ)と(Ⅳ)は、どちらも職業指導員と生活支援員を6対1で配置する区分にあたります。7.5対1の(Ⅱ)(Ⅴ)、10対1の(Ⅲ)(Ⅵ)で請求している事業所は、ほかの要件を満たしていても対象になりません。

厚生労働省の令和6年度工賃実績では、B型の全国平均工賃月額は24,141円、事業所数は18,245か所です。工賃の水準が基本報酬に直結する報酬体系のなかで、この加算は工賃を上げる体制づくりを後押しする位置づけになります。

関連記事:就労継続支援B型の報酬単価表【令和8年度】加算・減算も解説

目標工賃達成指導員の役割

目標工賃達成指導員は、都道府県が作る工賃向上計画に基づいて事業所自身の工賃向上計画を作成し、その計画に掲げた工賃目標の達成へ向けて積極的に取り組む職員です。生産活動の現場を支える職員とは担当が異なり、工賃を上げる取り組みを設計して回す立場を任されます。

国の通知と工賃向上計画の基本指針が挙げている取り組みは、次のとおりです。

  • 障害者優先調達推進法に基づく受注促進
  • 地域と連携した農福連携での領域開拓
  • ICT機器の導入による生産能力の向上
  • 地元企業や共同受注窓口との商品開発

施設のなかの作業に閉じず、販路や受注先を外へ広げる動きまでが役割に含まれる点が特徴です。配置しただけで算定が続くわけではなく、計画に沿って動いた記録も求められます。

目標工賃達成加算との違い

名前のよく似た目標工賃達成加算は、この配置加算とは評価する対象が異なります。配置加算は工賃向上に取り組む人を置いた体制を評価し、達成加算は工賃目標を実際に達成した結果を評価します。

項目目標工賃達成指導員配置加算目標工賃達成加算
評価する対象指導員の配置工賃目標の達成
単位数定員別に45〜36単位一律10単位

達成加算は、配置加算の算定が前提です。

達成加算の工賃目標は、前年度の自事業所の平均工賃月額に全国平均の伸びを上乗せした額で決まります。令和8年度に達成加算を算定するには、令和7年度に前年度実績を5,618円以上上回る目標を達成している必要があります。

目標工賃達成指導員配置加算の5つの算定要件

算定要件を条文で確認すると3つの条件にまとめられていますが、その中身を開くと実務では5つを満たす必要があります。国の留意事項通知が並べているのは、対象の基本報酬の算定、指導員の常勤換算1人以上の配置、3職種の合計が5対1以上の3点です。

ここでは、条文の3点に加えて、対象の基本報酬の中身である6対1と指導員の職務である工賃向上計画の作成も含めて、5つの要件に分けて解説します。

サービス費(Ⅰ)または(Ⅳ)の算定

1つ目は、基本報酬で就労継続支援B型サービス費(Ⅰ)または(Ⅳ)を算定している状態です。この要件を落としている解説記事も見かけますが、ここを満たしていなければ、ほかの人員配置をどれだけ手厚くしても算定できません。

(Ⅰ)を算定するには、事業所工賃向上計画を作成して都道府県へ提出する必要があります。計画を作成していない事業所は(Ⅳ)から(Ⅵ)の区分に入り、そのうち6対1で配置している(Ⅳ)だけが加算の対象です。

まず確認したいのは、自事業所が今どの区分で請求しているかです。体制等状況一覧表や請求データで区分を確かめると、ほかの4要件を検討する前提がそろいます。

常勤換算1人以上の指導員の配置

2つ目は、目標工賃達成指導員を常勤換算方法で1人以上配置する要件です。常勤換算は、その職員の勤務延べ時間数を常勤職員が勤務すべき時間数で割って求めます。

常勤の職員を1人採用する形だけが選択肢ではありません。複数の非常勤職員を組み合わせて合計1.0以上にする配置も認められており、既存職員の勤務時間を組み替えて1.0を作る事業所もあります。

ただし、後述する兼務の扱いには注意が必要です。同じ時間帯に職業指導員や生活支援員として働いた時間を、目標工賃達成指導員の勤務時間として重ねて数えるのは認められていません。勤務形態一覧表で指導員としての勤務時間を切り出せる形にしておくと、届出のときに常勤換算をそのまま示せます。

職業指導員と生活支援員だけで6対1

3つ目は、目標工賃達成指導員を除いた職業指導員と生活支援員の総数が、前年度の平均利用者数を6で割った数以上である状態です。これはサービス費(Ⅰ)(Ⅳ)を算定するための人員配置基準そのもので、要件1つ目の中身にあたります。

見落としが起きやすいのは、指導員を配置するために既存の職員を配置換えして、6対1を割ってしまう場合です。目標工賃達成指導員は指定基準上の職種ではないため、基本報酬の6対1に数えられません。

既存職員の肩書きを変えるだけでは要件を満たせず、実際の上乗せ配置が求められます。

3職種の合計で5対1

4つ目は、目標工賃達成指導員に職業指導員と生活支援員を加えた3職種の総数が、前年度の平均利用者数を5で割った数以上である状態です。要件3つ目の6対1とあわせて、二段構えで判定されます。

令和6年3月までは「職業指導員と生活支援員が7.5対1、指導員を含めて6対1」でした。令和6年度の報酬改定で6対1と5対1へ引き上げられているため、改定前の解説が残る資料をそのまま参照すると判定を誤ります。

自治体が公開している届出様式の記入例にも、旧要件の7.5対1が残っているものがあります。要件を確かめるときは、資料の版と改定時期を必ず確認しましょう。

工賃向上計画の作成と提出

5つ目は、工賃向上計画の作成と提出です。事業所工賃向上計画には、各年度の目標工賃月額と、目標を達成するために取り組む方策を盛り込みます。提出先は都道府県で、見直しをした年度は5月末日までに提出します。

ここで迷うのが(Ⅳ)で請求する事業所の扱いです。事業所工賃向上計画は(Ⅰ)から(Ⅲ)の算定要件ですが、国の基本指針はすべてのB型事業所に、特別な事情がない限り計画の作成を求めています。この加算では、指導員が自ら工賃向上計画を作成する職務も定められています。

そのため(Ⅳ)で算定する場合も、指導員による計画の作成は避けて通れません。運営指導では計画の未作成そのものが指摘されるため、加算を取ると決めたら計画の作成から着手しましょう。

目標工賃達成指導員配置加算に必要な人数の数え方

要件を読むだけでは、自事業所であと何人必要なのかは見えてきません。判定では、前年度の平均利用者数を出し、6と5で割った必要人数と実際の配置状況を突き合わせます。

ここでは、届出様式の記入要領に沿って、平均利用者数の出し方から端数処理の向きまでを順に確認していきましょう。

前年度の平均利用者数を算出する

最初に、判定の土台になる前年度の平均利用者数を出します。計算式は「前年度の全利用者の延べ数÷前年度の開所日数」で、小数第2位以下は切り上げます。たとえば、延べ数から19.42人と出た場合の扱いは19.5人です。

新設・再開や定員を増やした事業所で前年度の実績が足りない場合は、経過期間で扱いが分かれます。新設から6か月未満なら定員の90%を利用者数とし、6か月以上1年未満なら直近6か月の延べ数を同期間の開所日数で割って求めます。定員を減らした場合の計算は、減床後3か月以上の実績が土台です。

平均利用者数は、加算の判定だけでなく基本報酬の区分にも使う数字です。年度当初にまとめて算出し、届出様式へ転記できる形で残しておきましょう。

職業指導員と生活支援員の必要数を求める

平均利用者数が出たら、必要人数を2本立てで逆算します。職業指導員と生活支援員だけで満たすべき人数は平均利用者数を6で割った数、指導員を加えた3職種で満たすべき人数は5で割った数です。

前年度の平均利用者数が12.7人の事業所を例にすると、次のようになります。

  • 前年度の平均利用者数:12.7人
  • 職業指導員と生活支援員:2.2人以上
  • 3職種の合計:2.6人以上

配置実績が職業指導員と生活支援員で2.5人、目標工賃達成指導員で1.2人なら、合計3.7人となり2つの条件をどちらも満たします。先に6対1を満たしたうえで、そこへ指導員を積み増して5対1に届かせる順序で考えると判定を誤りません。

端数処理を切り上げと切り捨てで分ける

判定でつまずくのは端数処理です。届出様式の記入要領では、必要人数と配置実績で丸める向きが逆になっています。

欄端数処理例
必要配置人員(÷6・÷5)小数第2位以下を切り上げ2.11→2.2
配置している常勤換算数小数第2位以下を切り捨て2.58→2.5

どちらも事業所に不利な向きへ丸める設計なので、手元の計算で「ぎりぎり足りている」と見えた配置は要注意です。なお、端数処理をした結果として人員基準を満たさなくなる場合は、端数処理をせずに判定する取り扱いが様式に注記されています。

余裕をもって配置しておくと、年度途中に利用者数が動いても要件を保ちやすいでしょう。判定に迷う数字が出たら、記入要領の注記まで含めて指定権者へ問い合わせましょう。

目標工賃達成指導員配置加算でいくら増える?

要件を満たせるとわかったら、次に見るのは採算です。加算で入る報酬と、指導員を置くための人件費を比べなければ、配置の判断はできません。

ここでは、定員規模別の単位数を確認し、2つの改定の影響を踏まえたうえで、人件費を差し引いた採算を試算します。

定員規模別の単位数

単位数は利用定員の規模で5段階に分かれ、定員が小さいほど高く設定されています。利用者1人につき1日あたりで加算されるため、月の報酬は「単位数×1単位単価×開所日数×平均利用者数」で概算が可能です。

利用定員単位数(1日につき)
20人以下45単位
21人以上40人以下40単位
41人以上60人以下38単位
61人以上80人以下37単位
81人以上36単位

報酬は単位数で定められており、円に換算するときは地域区分ごとの1単位単価を掛けます。就労継続支援の1単位単価は1級地11.14円からその他10.00円までの8区分で、同じ単位数でも地域によって金額は変わります。

令和6年度と令和8年6月の改定の影響

この加算には、性質の異なる2つの改定が関わっています。令和6年度の報酬改定で変わったのはこの加算そのもので、人員要件が上がり、単位数は定員20人以下で89単位から45単位へ半減しました。

令和8年6月の臨時改定で入ったのは、B型の基本報酬区分の見直しです。平均工賃月額の区切りが最も低い区分を除いて3,000円ずつ上がり、8段階から14段階になりました。同じ改定で新規指定の事業所の基本報酬を下げる特例も入りましたが、既存の事業所は対象外です。

この見直しには配慮措置があり、令和6年度改定の前後で区分が上がっていない事業所には従前の報酬区分が適用されます。なお、この改定でこの加算の要件と単位数が変わったわけではありません。

このように、2つの改定は逆向きに働きます。工賃を上げる必要性は、以前よりも高まっているといえるでしょう。

人件費を差し引いた採算

定員20名・2級地・月22日開所・1日あたりの平均利用者数16.4人を前提に、45単位を月額に直すと約177,000円です。

厚生労働省の令和6年度の調査では、B型の福祉・介護職員(常勤)の平均給与額は月289,130円でした。加算収入は人件費に11万円ほど届かず、加算だけで常勤1人分は賄えません。加算収入だけでこの水準に到達するには、定員規模に応じて1日あたり27〜34人の利用が必要で、定員20人以下では構造的に不可能です。

配置加算に達成加算の10単位を重ね、工賃の上昇で基本報酬の区分が1段(705単位から726単位へ)上がると約299,000円となり、ようやく釣り合います。なお、平均給与額に法定福利費などの事業主負担は含みません。自事業所の地域区分と利用実績で置き換えましょう。

関連記事:就労継続支援B型経営の年収はいくら?収益モデルから上げ方まで解説

目標工賃達成指導員配置加算の届出

要件を満たして人を配置しても、届出を出さなければ報酬は入りません。届出の時期を1日外すと算定開始が1か月ずれるため、配置の準備と並行して書類の段取りを進める必要があります。

ここでは、提出する書類と提出先、算定を開始できる月の決まり方を解説します。

体制届を指定権者へ提出する

中心になるのは体制等状況一覧表と、この加算専用の届出書です。自治体によっては、これらに提出書類の一覧を示す送付状や連絡票を添えて一式で提出します。

届出書には前年度の平均利用者数と、職業指導員・生活支援員・目標工賃達成指導員それぞれの常勤換算数を記入します。必要配置人員と指導員の氏名まで記載する様式です。

提出先は事業所の指定権者で、都道府県が窓口の事業所もあれば、政令指定都市や中核市が窓口の事業所もあります。書式の名称や別紙番号も自治体で異なるため、提出先の様式集を必ず確かめましょう。

見落としがちなのが運営規程です。目標工賃達成指導員を新たに置く場合は、運営規程の変更が必要になると案内している自治体もあります。届出書だけを用意して窓口で差し戻されないよう、変更届の要否も同時に確認しましょう。

15日を境に算定の開始月を確認する

算定を始められる月は、届出が窓口に届いた日で決まります。毎月15日以前の届出なら翌月から、16日以降の届出なら翌々月からの算定です。7月1日から算定したいなら6月15日までに提出し、6月16日以降になれば算定開始は8月1日へずれます。

ただし、前年度の実績で区分が決まる就労継続支援B型では、翌年度4月からの届出に限って4月中の提出でも認められます。年度替わりは手続きが集中する時期なので、この扱いを前提に段取りを組みましょう。

15日の数え方も自治体で差があります。消印有効の自治体、窓口への到達日で見る自治体、必着で閉庁日は前倒しになる自治体があり、電子申請だけを受け付ける自治体もあります。1か月分の報酬が動く境目なので、提出方法まで含めて早めに調べておきましょう。

目標工賃達成指導員配置加算の注意点

要件と届出をそろえても、運用でつまずくと返還につながります。特に兼務の扱いと記録の残し方は、運営指導で見られる項目です。

ここでは、兼務の可否をどう判断するかと、記録で何を残すべきかを見ていきましょう。

職業指導員や生活支援員との兼務

国のQ&Aは、目標工賃達成指導員について「兼務は不可」と明記しています。この加算は、基準で必要な職業指導員と生活支援員に上乗せした配置を評価します。

ただし、自治体の運用は一律ではありません。国のQ&Aをそのまま示して不可とする自治体、同時並行的な兼務だけを不可とする自治体、管理者との兼務なら業務に支障のない範囲で可とする自治体があります。

サービス管理責任者との兼務は、実務上は成り立ちません。国の解釈通知は、サービス管理責任者がほかの職務を兼ねた場合、原則としてその勤務時間を当該職務の常勤換算に算入できないとしています(利用定員20人未満の事業所は算入可)。そのため定員20人以上の事業所では、サービス管理責任者が指導員を兼ねても、その時間を指導員の常勤換算1人以上に数えられません。定員20人未満の場合も、指導員は指定基準の人員に加えて配置する職員のため、兼務の可否は指定権者へ確認しましょう。

運営指導で指摘されやすい記録の不備

運営指導で問われるのは、配置そのものよりも記録の残し方です。自治体が公表している指摘事例には、次の3つが並びます。

  • 指導員を常勤換算1人以上配置していない
  • 指導員が工賃向上計画を作成していない
  • 目標へ向けた取り組みの記録がない

3つ目は書類がそろっていても足りない類型で、計画のあとに何をしたのかを残していないと指摘されます。月ごとの取り組みと結果を記録に残し、計画と実績が線でつながる状態を保ちましょう。

施設外就労に同行させる職員として、目標工賃達成指導員を数えられない点も注意が必要です。同行職員として数えられるのは、職業指導員と生活支援員です(欠員が出たときの2人目としての同行を認める運用もあります)。要件を満たさない状態で請求すると、過誤調整や返還の対象になります。

関連記事:欠席時対応加算の記録例と算定条件|令和6年度の改定やNG例も解説

目標工賃達成指導員配置加算でよくある質問

ここまで、要件と採算・届出の流れを見てきました。最後に、配置を検討する段階で相談の多い3つの疑問を整理します。

目標工賃達成指導員に資格は必要?

資格の要件はありません。国のQ&Aは、目標工賃達成指導員に特定の資格や研修の修了を求めておらず、事業所の事業内容を踏まえて工賃の引き上げに役立つ人材を配置すれば差し支えないとしています。

資格よりも、販路の開拓や受注の交渉を任せられるかどうかで人選するほうが実務に合います。生産活動の内容によっては、営業や商品開発の経験がある人材のほうが成果につながる場合もあるでしょう。

福祉の経験が浅い人材を充てる場合は、利用者の障がい特性や支援の考え方を共有する時間を確保しましょう。工賃向上の取り組みが現場の支援と噛み合わないと、職員の負担だけが増えます。

工賃目標を達成できなかった場合、返還は必要?

配置加算の返還は必要ありません。工賃目標の未達を理由とする減算や返還の規定は設けられていないためです。

未達で影響するのは目標工賃達成加算のほうで、1日10単位が算定できなくなります。配置加算は人員配置の要件を満たしていれば算定できる加算なので、2つを混同しないよう分けて考えましょう。

ただし、未達が続く状態を放置してよいわけではありません。工賃向上計画は毎年度の点検と見直しが前提で、内容を改めた年度は都道府県への再提出が求められます。達成できなかった年度こそ、受注量や単価、作業時間の配分まで含めて要因を整理し、次の計画へ反映させましょう。

処遇改善加算は指導員にも配分できる?

配分できます。目標工賃達成指導員も処遇改善加算の対象職員に含めて差し支えないと、国の通知(処遇改善加算の基本的考え方)に明記されています。

指導員を置くと人件費は増えますが、処遇改善加算の配分先に含められる点は採算を考えるうえで大きい要素です。配分は賃金改善計画で定めるため、計画の見直しとあわせて検討しましょう。

ただし、算定要件は賃金改善額が加算額以上かどうかで判定します。指導員を配分先に加えるのは妨げられませんが、そのぶん既存職員の賃金水準を引き下げる配分は計画書の誓約に反する扱いです。やむを得ない場合は、事情と労使の合意を記した届出書の提出が必要です。

目標工賃達成指導員配置加算について解説しました

目標工賃達成指導員配置加算は、サービス費(Ⅰ)または(Ⅳ)を算定する事業所が、6対1の配置に指導員を積み増して5対1に届かせたときに算定できます。単位数は定員20人以下で45単位、令和6年度の改定でおよそ半分になりました。

まず前年度の平均利用者数を出し、6で割った数と5で割った数に配置実績を当てはめて判定しましょう。算定できると決まったら、工賃向上計画の作成と体制届の準備を進め、15日を境にした算定開始月から逆算して提出日を決めます。なお、令和9年度の報酬改定では就労支援の報酬と地域区分が論点に挙がっています。

定員20人以下では加算だけで常勤1人分の人件費は賄えないため、工賃を上げて基本報酬の区分まで動かせるかが判断の分かれ目になるでしょう。要件の判定や工賃向上の進め方に迷う場合は『S-STEP』へご相談いただければ、事業所の状況にあわせてサポートします。

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