2026年05朁E日 | 障がい者グループホーム運営コラム

就労継続支援B型の報酬単価表【令和8年度】加算・減算も解説

就労継続支援B型の報酬単価表

就労継続支援B型の報酬単価表で自事業所の該当区分を正確に特定し、加算・減算の算定要件を整理して請求漏れを防ぎたいとお考えではありませんか?

報酬改定による変更点も含めて情報を網羅的に把握するには膨大な告示文を読み解く必要があり、簡単な作業ではありません。

この記事では報酬単価表の仕組みや基本報酬単価、平均工賃月額の算定方法、主な加算・減算の要件、収益シミュレーションの方法、今後の改定動向まで解説しています。

この記事を読むことで、自事業所に合った報酬区分の把握から加算・減算の整理、収支計画の策定までをスムーズに進められるようになるでしょう。

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もくじ
  1. 就労継続支援B型の報酬単価表とは?
  2. 就労継続支援B型の基本報酬単価
  3. 就労継続支援B型の報酬単価を決める平均工賃月額の算定方法
  4. 就労継続支援B型の報酬単価に関わる主な加算
  5. 就労継続支援B型の報酬単価で注意したい減算
  6. 就労継続支援B型の報酬単価表で収益をシミュレーションする方法
  7. 就労継続支援B型の報酬単価に関わる今後の改定動向
  8. 就労継続支援B型の報酬単価表に関するよくある質問
  9. 就労継続支援B型の報酬単価表について解説しました

就労継続支援B型の報酬単価表とは?

就労継続支援B型の報酬単価表とは、厚生労働省が公表する「障がい福祉サービス費等の報酬算定構造」のうち、就労継続支援B型に該当する部分を指します。基本報酬・加算・減算の単位数や算定条件が一覧でまとめられた公式資料です。

ここでは、報酬単価表の読み方と基本報酬を決める要素を確認していきます。

参考:障害福祉サービス費等の報酬算定構造(令和6年度)|厚生労働省

報酬単価表の役割と基本的な見方

報酬算定構造は厚生労働省が報酬改定のたびに公表する公式資料で、各サービスの基本報酬や加算・減算の算定条件が一覧で掲載されています。就労継続支援B型の報酬単価を確認する際の出発点となる資料です。

報酬は金額ではなく「単位」で記載されており、算定した単位数に所在地の「地域単価」を掛けて報酬額を算出します。たとえば700単位で地域単価が10.57円なら、1人1日あたりの報酬額は約7,399円です。

報酬全体は「基本報酬」「加算」「減算」の3要素で構成されています。自事業所の収益を見積もるには、この3要素それぞれの単位数を正しく把握しておきましょう。

関連記事:【2024年最新】障がい者グループホームの報酬単価|計算方法から加算・減算まで徹底解説

基本報酬を決める3つの要素

就労継続支援B型の基本報酬に関わる要素は「平均工賃月額」「定員規模」「人員配置」の3つです。ただし、3要素すべてで決まるのはサービス費(Ⅰ)〜(Ⅲ)のみで、サービス費(Ⅳ)〜(Ⅵ)は定員規模と人員配置の2要素で決まります。

  • 前年度の平均工賃月額(Ⅰ〜Ⅲのみ)
  • 事業所の利用定員規模
  • 職員の人員配置基準

平均工賃月額は「年間工賃支払総額÷1日平均利用者数÷12か月」の算出式で求められ、サービス費(Ⅰ)〜(Ⅲ)の報酬区分に直結する指標です。定員規模は「20人以下」から「81人以上」までの5区分、人員配置は「6:1」「7.5:1」「10:1」の3区分が設定されています。

自事業所がどの報酬体系を選択し、どの区分に該当するかを正確に把握しておきましょう。

地域区分(級地)による単価の違い

1単位の基本単価は10円ですが、地域ごとの人件費差を調整するため「地域区分」が設定されています。全国の市町村は8つの級地に分類されており、上乗せ割合が適用される仕組みです。

就労継続支援B型の人件費割合は、57%です。この割合と級地ごとの上乗せ率を掛け合わせて地域単価が決まります。

1級地(東京23区)は11.14円、2級地(横浜市・大阪市)は10.91円、3級地(名古屋市・さいたま市)は10.86円です。7級地(札幌市)は10.17円で、1〜7級地に該当しない市町村は「その他」として10.00円が適用されます。

所在地がどの級地に該当するかで同じ単位数でも報酬額に差が出るため、自事業所の地域単価は必ず確認しておきましょう。

就労継続支援B型の基本報酬単価

就労継続支援B型の基本報酬は、平均工賃月額で評価するサービス費(Ⅰ)〜(Ⅲ)と、一律で評価するサービス費(Ⅳ)〜(Ⅵ)の2つの体系に分かれています。人員配置と定員規模の組み合わせによって単位数が変わります。

ここでは、各報酬区分の単位数と定員規模による違いを確認していきましょう。

サービス費(Ⅰ)〜(Ⅲ)の報酬区分と単価

サービス費(Ⅰ)〜(Ⅲ)は前年度の平均工賃月額に応じて報酬が決まる体系です。令和6年度の改定で高工賃の事業所は単価が引き上げられ、低い区分は引き下げられるメリハリが強化されました。

人員配置は令和6年度に新設された6:1がサービス費(Ⅰ)、従来の7.5:1がサービス費(Ⅱ)、10:1がサービス費(Ⅲ)に対応しています。定員20人以下の場合の単位数は、以下のとおりです。

平均工賃月額(Ⅰ)6:1(Ⅱ)7.5:1(Ⅲ)10:1
4.5万円以上837748682
3.5万円以上4.5万円未満805716653
3万円以上3.5万円未満758669611
2.5万円以上3万円未満738649594
2万円以上2.5万円未満726637572
1.5万円以上2万円未満703614557
1万円以上1.5万円未満673584532
1万円未満590537490

平均工賃月額の区分は「4.5万円以上」から「1万円未満」まで8段階に分かれています。定員21人以上の事業所は逓減制により単位数が低くなるため、自事業所の定員規模に合った区分を報酬算定構造で確認しておきましょう。

参考:令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について|厚生労働省

サービス費(Ⅳ)〜(Ⅵ)の報酬区分と単価

サービス費(Ⅳ)〜(Ⅵ)は平均工賃月額に関わらず、利用者の就労や生産活動への参加を一律で評価します。所定の要件を満たせば「地域協働加算」や「ピアサポート実施加算」を算定できる一方、短時間利用減算(30%減)の対象となる点に注意が必要です。

各定員規模における単位数は、以下のとおりです。

定員規模(Ⅳ)6:1(Ⅴ)7.5:1(Ⅵ)10:1
20人以下584530484
21〜40人519471430
41〜60人488443398
61〜80人479434390
81人以上462419376

サービス費(Ⅰ)〜(Ⅲ)と比べると基本報酬の水準は低めですが、重度の障がいがある利用者を多く受け入れる事業所に向いています。ただし、利用時間の管理を怠ると大幅な減収につながるため、日々の利用状況を記録しておきましょう。

定員規模別の単価の違い

基本報酬には「逓減制」が採用されており、定員規模が大きい事業所ほど1人あたりの単価が低く設定されています。同じ平均工賃や人員配置であっても、定員規模によって単位数に差が生じる仕組みです。

以下は、サービス費(Ⅰ)〜(Ⅲ)の平均工賃月額1.5万円以上2万円未満の場合の比較です。定員は「20人以下」から「81人以上」まで5区分に分かれています。

定員規模(Ⅰ)6:1(Ⅱ)7.5:1(Ⅲ)10:1
20人以下703614557
21〜40人624544497
41〜60人586511461
61〜80人575501452
81人以上557485437

小規模事業所は1人あたりの運営コストが高いため、その分を反映して単価が高くなっています。定員20人以下と81人以上では1人1日あたり100単位以上の差が出るケースもあるため、自事業所の区分を正確に確認しておきましょう。

就労継続支援B型の報酬単価を決める平均工賃月額の算定方法

平均工賃月額はサービス費(Ⅰ)〜(Ⅲ)を算定する事業所にとって、報酬区分を左右する最も影響の大きい指標です。令和6年度の改定で算出方法が見直され、利用日数が少ない利用者が多い事業所にも配慮された計算式が導入されました。

ここでは、算定の対象範囲から計算手順・届出スケジュールまでを整理します。

算定対象となる利用者の範囲を確認する

平均工賃月額の算定対象は、原則として事業所に通所するすべての利用者です。ただし、令和6年度の改定により一般就労中に一時的にB型を利用する方は算定対象から除外されました。

これまで設けられていた月途中の利用開始・終了、入院・退院、長期欠席といった除外要件も改定後にすべて撤廃され、算定ルールが大きく簡素化されています。

除外対象が減った分、以前なら算定から外れていた利用者も含まれるようになりました。対象者の範囲を正確に把握しておかないと報酬区分の判定に影響が出るため、年度初めに確認しておきましょう。

工賃総額・延べ利用者数・開所日数から月額を算出する

令和6年度の改定で導入された新しい計算式では、以下の手順で平均工賃月額を算出します。算出の流れを順番に見ていきましょう。

  • 前年度の工賃支払総額を算出する
  • 1日あたりの平均利用者数を算出する
  • 総額を平均利用者数と12で割る

1日あたりの平均利用者数は「前年度の延べ利用者数÷年間開所日数」で求め、小数点第2位を切り上げます。最終的な計算式は「年間工賃支払総額÷1日平均利用者数÷12か月」で、円未満は四捨五入です。

従来は登録実人数を分母としていたため、週1〜2回の通所など利用日数が少ない利用者が多い事業所は平均工賃が低く算出されがちでした。新方式では1日あたりの利用実態が反映されるため、利用日数が少ない利用者を多く受け入れる事業所の不利が解消されています。

算定期間と届出スケジュールを把握する

就労継続支援B型の報酬区分は、前年度の実績に基づき毎年4月に決定されます。加算の届出は毎月15日までに指定権者へ提出すれば翌月から算定が可能です。

4月分の届出については、指定権者が定める期限内に提出すれば4月1日から算定できます。年度初めの届出は通常と異なるスケジュールのため、事前に確認しておきましょう。

新規開設の事業所は前年度実績がないため、指定日から1年間は「平均工賃月額1万円未満」の区分で算定されます。ただし、開設から6か月以上が経過した時点で、その間の実績に基づいた区分に変更する特例も認められています。

年度切り替えの準備を早めに進め、届出漏れによる算定ミスを防ぎましょう。

就労継続支援B型の報酬単価に関わる主な加算

就労継続支援B型では、基本報酬に上乗せできるさまざまな加算が設けられています。加算を適切に算定すれば収益の底上げにつながりますが、それぞれの要件をきちんと満たす必要があります。

ここでは、代表的な加算の要件と単位数を見ていきましょう。

福祉専門職員配置等加算の要件と単位数

有資格者を一定割合配置している事業所を評価する加算です。対象資格は社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士・作業療法士・公認心理師の5種類です。

  • 加算(Ⅰ):有資格者35%以上で15単位/日
  • 加算(Ⅱ):有資格者25%以上で10単位/日
  • 加算(Ⅲ):常勤75%以上等で6単位/日

加算(Ⅰ)と(Ⅱ)は常勤の直接処遇職員に占める有資格者の割合で判定されます。加算(Ⅲ)は常勤率75%以上、もしくは勤続3年以上の常勤者が30%以上であれば算定できるため、有資格者が不足している事業所でも取得を目指せる区分です。

多機能型事業所では、原則として事業所全体の直接処遇職員を合算して判定されます。常勤かどうかの判定は所定労働時間に達しているかが基準となるため、各職員の勤務状況も確認しておきましょう。

目標工賃達成指導員配置加算の要件と単位数

工賃向上計画を作成し、目標工賃達成指導員を常勤換算で1人以上配置した事業所が対象の加算です。サービス費(Ⅰ)または(Ⅳ)を算定している事業所のみが算定でき、人員配置6:1の創設に伴い要件が厳格化されました。

職業指導員と生活支援員の合計が常勤換算で6:1以上であるうえ、指導員を含めた全体の配置が5:1以上の体制を整える必要があります。従来より配置のハードルが上がっているため、人員計画を事前に確認しておきましょう。

単位数は定員規模に応じて異なり、20人以下で45単位/日、81人以上で36単位/日が設定されています。改定前と比べて単位数は引き下げられましたが、工賃向上に取り組む事業所にとって収益面で有効な加算であるのは変わりません。

目標工賃達成加算の要件と単位数

令和6年度に新設された加算で、目標工賃達成指導員配置加算を算定している事業所が対象です。自ら策定した工賃向上計画の目標を実際に達成した場合に、1日あたり10単位が上乗せされます。

目標として設定する工賃額には基準があり「前々年度の自事業所平均工賃月額+全国平均工賃の伸び幅」以上にする必要があります。この基準額が前年度の自事業所実績を下回るときは、前年度の実績額以上を目標にしなければなりません。

単位数は10単位/日と大きくはありませんが、毎日加算されるため月間では一定の収益増が見込めます。工賃向上への取り組みを報酬に反映させたい事業所にとって、積極的に算定を検討する価値のある加算です。

就労移行支援体制加算の要件と単位数

前年度に就労継続支援B型から一般就労へ移行し、6か月以上定着している利用者がいる場合に算定できる加算です。翌年度の1年間にわたって加算が適用されます。

単位数は基本報酬区分と定員規模、平均工賃月額の組み合わせで決まる仕組みです。たとえば、サービス費(Ⅰ)を算定する定員20人以下の事業所では、平均工賃月額の区分に応じて48〜93単位/日が設定されています。

令和6年度からは、過去3年間にこの加算の対象となった利用者は原則として再度の算定ができなくなりました。一般就労の実績づくりに取り組む事業所には有効な加算ですが、対象者の管理を丁寧に進める必要があります。

処遇改善加算の要件と単位数

令和6年6月から、従来の3つの加算(処遇改善加算・特定処遇改善加算・ベースアップ等支援加算)が「福祉・介護職員等処遇改善加算」に一本化されました。事務負担の軽減と職員の賃上げ促進を目的とした統合です。

  • 加算(Ⅰ):加算率9.3%
  • 加算(Ⅱ):加算率9.1%
  • 加算(Ⅲ):加算率7.6%
  • 加算(Ⅳ):加算率6.2%

新加算(Ⅳ)の加算額のうち1/2以上を月額賃金の改善(ベースアップ)に充てるのが必須要件です。職種間の配分は福祉・介護職員への配分を基本としつつ、事業所内で柔軟に配分できるルールに統一されています。

取得する区分が上がるほど加算率は高くなるため、可能な限り上位区分の取得を目指しましょう。

参考:福祉・介護職員の処遇改善|厚生労働省

その他に取得できる主な加算の要件と単位数

就労継続支援B型では、このほかにもさまざまな加算が用意されています。事業所の運営体制や利用者の状況に応じて、算定できるものを確認しておきましょう。

  • 送迎加算:片道10〜21単位
  • 欠席時対応加算:94単位/回
  • 初期加算:30単位/日
  • 食事提供体制加算:30単位/日

送迎加算(Ⅰ)の21単位は平均10人以上の利用かつ週3回以上の送迎が要件ですが、定員20人未満の事業所は定員の50%以上の利用でも算定可能です。加算(Ⅱ)は10単位で、欠席時対応加算は急な欠席連絡に対する相談援助を記録した場合に月4回まで算定できます。

このほか、強度行動障がい者への集中的支援加算(1,000単位/回)や視覚・聴覚言語障がい者支援体制加算(41〜51単位/日)、高次脳機能障がい者支援体制加算(41単位/日)なども新設・拡充されています。

就労継続支援B型の報酬単価で注意したい減算

基本報酬や加算で積み上げた収益も、減算が適用されると大きく目減りしてしまいます。就労継続支援B型には人員配置や運営体制に関する複数の減算が設定されており、該当すれば基本報酬の30〜50%が差し引かれるケースもあります。

ここでは、注意が必要な減算の適用条件と減算幅を確認しておきましょう。

サービス管理責任者欠如減算の適用条件と減算幅

サービス管理責任者(サビ管)が配置されていない場合、または資格要件を満たさない者がサビ管を務めている場合に適用される減算です。配置基準に合致しなくなった月の翌々月から減算が始まり、状況が解消されるまで継続されます。

減算幅は、欠如の期間に応じて段階的に引き上げられます。1〜4か月目は基本報酬の30%が差し引かれ、5か月目以降は50%の減算に拡大する仕組みです。

サビ管は個別支援計画の作成を統括する立場であり、長期間の不在は利用者支援の質と事業所の収益の両面に影響を及ぼします。退職や休職に備えて後任となる人材の育成を日頃から進め、複数名が資格要件を満たす体制を整えておきましょう。

サービス提供職員欠如減算の適用条件と減算幅

職業指導員と生活支援員の配置が最低基準(10:1)を満たしていない場合に適用される減算です。人員不足の程度によって減算開始のタイミングが異なります。

1割を超える人員不足の場合は翌月から、1割以内の不足であれば翌々月から減算が適用されます。減算幅は1〜2か月目が基本報酬の30%、3か月目以降は50%です。

職員の急な退職や長期休暇で基準を割り込むリスクは常に存在します。基準の下限に対して常勤換算で0.5〜1人分の余裕をもったシフト編成を心がけ、人員不足による減算を未然に防ぎましょう。

定員超過利用減算の適用条件と減算幅

1日の利用者数が定員の150%(定員50人以下の場合)を超えた場合、または過去3か月の平均利用人員が定員の125%(定員11人以下は定員+3)を超えた場合に適用されます。減算幅は基本報酬の30%です。

150%超過は、1日でも該当すればその日の報酬が減算対象になります。125%超過は3か月の平均で判定されるため、月ごとの利用者数を継続的にモニタリングしておきましょう。

利用希望者が増えてきた場合は、定員変更の届出を早めに検討するのも有効な対策です。利用率の高さは経営面ではプラスですが、定員超過による30%減算のインパクトは非常に大きいため注意が必要です。

短時間利用減算の適用条件と減算幅

サービス費(Ⅳ)〜(Ⅵ)の一律評価体系を算定する事業所に適用される減算です。直近3か月の利用者のうち1日の平均利用時間が4時間未満の方が全体の50%以上を占めた場合に、基本報酬の30%が減算されます。

ただし、個別支援計画で利用時間の段階的な延長を位置づけて実施している場合や、やむを得ない理由がある利用者は50%の判定から除外できます。すべての短時間利用者が一律に算入されるわけではありません。

毎月「直近3か月の4時間未満利用者の割合」を集計し、50%に近づいていないか確認しておきましょう。作業メニューの見直しや利用時間の調整を早めに進めれば、減算の適用を防げるでしょう。

個別支援計画未作成減算の適用条件と減算幅

個別支援計画が未作成のまま放置されている場合や、作成・更新のプロセスに不備がある場合に適用されます。利用者の同意取得が漏れているケースも対象になるため、書類の管理には注意を払いましょう。

減算は不備が生じた月から解消される月の前月まで遡って適用されるため、実地指導で過去の不備が発覚すると返還金が発生します。1〜2か月目は基本報酬の30%減算、3か月目以降は50%減算に拡大する仕組みです。

個別支援計画は、サビ管が中心となって作成・モニタリングを担う書類です。定期的な見直しスケジュールを組織内で共有し、更新漏れや手続き上の不備が生じない運用体制を築いておきましょう。

虐待防止・身体拘束に関する減算の適用条件と減算幅

虐待防止と身体拘束の適正化に関する取り組みが不十分な場合に適用される減算です。いずれも減算幅は基本報酬の1%になります。

  • 虐待防止委員会の未開催や未周知
  • 虐待防止研修や担当者配置の未実施
  • 身体拘束適正化委員会の未整備
  • 身体拘束時の記録漏れや指針の未策定

虐待防止措置未実施減算は、委員会の未開催や研修の未実施などが対象です。身体拘束廃止未実施減算は委員会の未整備や記録の漏れなどが対象で、いずれかに該当すれば減算が適用されます。

減算率は1%と低く見えますが、基本報酬全体にかかるため軽視はできません。委員会の開催記録や研修の実施記録を確実に残し、年間スケジュールに組み込んでおきましょう。

業務継続計画・情報公表に関する減算の適用条件と減算幅

業務継続計画(BCP)と情報公表に関する未対応に対して適用される減算です。令和6年度以降に新設・強化された項目で、事務的な対応漏れが減算につながります。

  • 感染症・非常災害BCPの未策定で一律1%減算
  • 情報公表の未報告で5%減算

BCP未策定減算は感染症・非常災害のいずれかが未策定であれば基本報酬の1%が減算されます。策定後の職員への周知や定期的な訓練まで実施していなければ適用対象です。

令和7年3月末までの経過措置はすでに終了しており、現在は本適用の状態です。

情報公表未報告減算は「WAMNET」への報告義務を果たしていない場合に適用されます。減算率5%と影響が大きいため、毎年の報告スケジュールを管理しておきましょう。

参考:情報公表未報告減算の取扱いについて|島根県

就労継続支援B型の報酬単価表で収益をシミュレーションする方法

報酬単価表の数字を実際の運営に落とし込むには、自事業所の条件に基づいた収益シミュレーションが効果的です。基本報酬に加算・減算を反映させた月間の請求額を試算すれば、経営判断の精度が高まります。

ここでは、算出手順からモデルケースまでを紹介します。

月間の基本報酬を利用者数と稼働日数から算出する

報酬区分は、以下の要素から特定します。

  • サービス費(Ⅰ)〜(Ⅲ):「平均工賃月額」「人員配置」「定員規模」の3要素
  • サービス費(Ⅳ)〜(Ⅵ):「人員配置」「定員規模」の2要素

報酬区分を特定したら、日額の単位数を確認しましょう。その単位数に地域単価を掛ければ、1人1日あたりの基本報酬額が求められます。

月間の基本報酬総額は「日額単位×地域単価×開所日数×利用者数」の計算式で算出できます。たとえば、日額703単位で地域単価10.57円の場合、1人1日あたり約7,430円です。

月20日の稼働で1日18人が利用するなら、月間の基本報酬は約267万円になります。この金額が加算・減算を反映する前のベースとなるため、まずこの数字を正確に押さえておきましょう。

加算・減算を反映した請求額を計算する

基本報酬額が確定したら、取得している各加算の単位数を「単位数×地域単価×実人日(または回数)」で計算して上乗せしましょう。送迎加算のように回数で算定するものや、欠席時対応加算のように月の上限があるものなど、加算ごとに計算方法が異なります。

減算が適用される場合は、基本報酬に減算率を反映させる必要があります。たとえば、30%減算であれば「基本報酬×0.7」で減算後の報酬額を求める流れです。

加算と減算の影響額を月初に試算する習慣をつければ、月末の請求額との差異を早期に発見できます。加算の届出漏れや減算の該当に気づかないまま請求すると過誤調整が発生するため、毎月の確認作業は怠らないようにしましょう。

モデルケースで月間収益をシミュレーションする

定員20人以下・人員配置6:1・平均工賃月額15,000円・5級地(地域単価10.57円)・月20日稼働・1日18人利用の事業所を例に試算してみましょう。基本報酬は日額703単位で、月間の基本報酬額は約2,674,800円です。

この事業所が目標工賃達成指導員配置加算(45単位/日)と送迎加算Ⅰ(21単位、毎日10人が往復利用)を取得した場合を加えます。指導員加算は約171,234円、送迎加算は約88,788円で、加算の合計は約260,022円です。

基本報酬と加算を合わせた月間総収益は、約2,934,822円になります。ただし、サービス提供職員欠如減算(30%)が適用されると基本報酬は約1,872,360円まで下がり、月間で約80万円の減収です。

減算の有無で収益が大きく変動するため、人員配置基準の維持をはじめとした減算の回避が安定経営の土台になるでしょう。

工賃向上と利用率管理で収益を安定させる

基本報酬のランクを維持するには、平均工賃月額を報酬区分の境界値で割り込まない運用が求められます。高単価な作業の受注を増やしたり生産ロスを削減したりする取り組みが、工賃の底上げにつながるでしょう。

人員配置の面では、退職や欠勤による基準割れを防ぐため、常勤換算で基準の下限より0.5〜1人分ほど余裕をもったシフトを組むのが安全です。基準を下回ると減算が発生し、収益への影響が大きくなります。

短時間利用減算を防ぐには、毎月「直近3か月の4時間未満利用者の割合」を集計して推移を確認しておく必要があります。50%に近づく前に作業メニューや利用時間の見直しを図れば、減算の適用を回避できるでしょう。

就労継続支援B型の報酬単価に関わる今後の改定動向

障がい福祉サービスの報酬は定期的に見直しが入るため、今後の改定動向を把握しておくと経営判断に役立ちます。就労継続支援B型では令和8年度の臨時改定が直近に控えており、令和9年度には通常の3年ごとの改定も予定されています。

ここでは、今後想定される報酬改定のポイントを見ていきましょう。

令和8年度の臨時改定で想定される変更点

障がい福祉サービス費の急増に対応するため、通常の3年サイクルとは別に令和8年(2026年)6月に臨時改定が予定されています。就労継続支援B型は基本報酬引き下げの対象サービスに含まれています。

令和8年6月1日以降に新規指定を受ける事業所には、従来より低い報酬単価が適用される方針です。ただし、既存の事業所は従来の単価が維持される見込みです。

令和6年度の平均工賃算定方法の見直しにより、想定以上に高い報酬区分に該当する事業所が増えた影響を受け、報酬区分の基準額が3,000円引き上げられます。ただし、令和6年度の改定前後で報酬区分が上がっていない事業所はこの見直しの対象外です。

基準額の変更で区分が下がる事業所向けには中間区分も新設される予定です。

関連記事:放課後等デイサービス加算一覧【2026年最新】6月臨時改定速報

令和9年度の報酬改定で注目される論点

令和8年の臨時改定で引き下げ対象外だった既存事業所も含め、令和9年度(2027年度)には3年に1度の通常改定が控えています。基本報酬の水準や加算要件が大幅に見直される可能性があるでしょう。

通常改定では基本報酬の引き上げ・引き下げに加え、加算の新設や廃止、算定要件の変更が一括で実施されるのが通例です。ICTを活用した記録業務の電子化や収支シミュレーションの導入によって業務効率を高め、経営体質を強化しておくのが有効な備えになります。

令和7年10月に開始された「就労選択支援事業」との連携も含め、制度の動向を継続的にチェックしておきましょう。

参考1:就労選択支援について|厚生労働省

参考2:【令和7年10月から開始】障害福祉サービスに係る就労選択支援について|佐賀県

就労継続支援B型の報酬単価表に関するよくある質問

就労継続支援B型の報酬単価表については、算定の実務に関する疑問が多く寄せられます。報酬区分の変更タイミングやA型との違い、新規開設時の扱いなど、現場で迷いがちなポイントをまとめました。

ここでは、よくある質問とその回答を確認しておきましょう。

平均工賃月額が年度途中で変動した場合に報酬区分は変わる?

就労継続支援B型の報酬区分は、原則として毎年4月に前年度の平均工賃月額等の実績をもとに決定されます。年度途中で工賃水準が変動しても、その年度内に報酬区分が変更されることはありません。

たとえば、繁忙期に受注が増えて工賃が大幅に上がった場合でも、報酬区分の見直しは翌年度の4月まで持ち越されます。逆に工賃が一時的に下がった場合も同様に、年度内は当初の報酬区分が維持されます。

報酬区分に反映されるのは前年度1年間の実績であるため、年間をとおして安定した工賃水準を保つ運用が報酬の維持・向上につながるでしょう。

就労継続支援A型と報酬単価表の仕組みに違いはある?

A型は利用者と雇用契約を結び最低賃金が保障される「雇用型」であるのに対し、B型は雇用契約を結ばず工賃を支払う「非雇用型」です。この根本的な違いが報酬体系にも反映されています。

B型の基本報酬は「平均工賃月額」や「生産活動への参加」で評価される仕組みです。一方、A型は「労働時間」「生産活動収支」「多様な働き方」など7つの項目を総合評価する「スコア方式」で報酬区分が決まります。

同じ就労継続支援でも評価の軸がまったく異なるため、A型からB型への転換やその逆を検討する際には報酬体系の違いを十分に理解しておきましょう。

新規開設の事業所はどの報酬区分が適用される?

新規開設でサービス費(Ⅰ)〜(Ⅲ)を選択した事業所は、前年度の実績がないため、指定から1年間は「平均工賃月額1万円未満」の区分で算定されます。サービス費(Ⅳ)〜(Ⅵ)の場合はこの制限がなく、人員配置と定員規模に応じた単位数がそのまま適用されます。

人員配置の計算では、開業から6か月目までは「定員の90%」を平均利用者数とみなして判定する決まりです。ただし、指定から6か月以上が経過すれば、その間の工賃実績に基づいた報酬区分に変更する特例が認められています。

工賃向上に早期から取り組めば、1年を待たずに上位区分へ移行できる可能性があるでしょう。算定可能な加算を開設前に整理し、初月から届出を進めておきましょう。

就労継続支援B型の報酬単価表について解説しました

就労継続支援B型の報酬単価表は、基本報酬・加算・減算の3要素で構成されており、自事業所の報酬区分を正確に把握するのが経営の基本です。平均工賃月額の算定方法や減算の回避策を理解すれば、安定した収支計画につながります。

まずは自事業所の3要素(平均工賃月額・定員規模・人員配置)を確認し、該当する報酬区分の単位数を特定しましょう。そのうえで取得可能な加算を洗い出し、月間の収益シミュレーションを作成するとよいでしょう。

報酬単価の仕組みや加算の届出にお悩みであれば、ぜひ『S-STEP』へご相談ください。経験豊富なスタッフが事業所の運営をサポートいたします。

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