2026年02朁E日 | 障がい者グループホーム運営コラム

障がい福祉サービスの利用者負担計算方法|上限管理と実務手順

障がい福祉サービスの利用者負担計算方法|上限管理と実務手順

利用者から「料金はいくらになりますか?」と聞かれて、即答できずに困った経験はありませんか?制度が複雑で、計算ミスや説明不足によるトラブルが起きないか不安になりますよね。

本記事では、所得区分の判定基準から具体的な計算手順、減免制度まで、障がい福祉サービスの利用者負担の計算方法をわかりやすく解説します。また、実務で使える計算フローや利用者様への説明ポイントも紹介します。

この記事を読めば、複雑なケースでも自信を持って金額を提示できるようになりますので、ぜひご覧ください。

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もくじ
  1. 障がい福祉サービスの利用者負担の決定基準
  2. 障がい福祉サービスの利用者負担の計算方法
  3. 利用者負担の上限管理と事務処理の流れ
  4. 利用者へ負担額を説明する際のポイント
  5. 利用者負担計算に関わる減免と軽減制度
  6. 利用者負担の計算に関するよくある質問
  7. まとめ

障がい福祉サービスの利用者負担の決定基準

障がい福祉サービスの利用者負担は、利用者の所得や世帯状況に応じて月額の上限が細かく設定されています。誤った区分で判断すると、利用者への請求ミスやトラブルにつながるため、正確な知識が必要です。

ここでは、複雑な所得区分の基準や、グループホーム利用者などに適用される例外ルールについて解説します。

4つの所得区分と負担上限月額の設定詳細

負担上限月額は4つの所得区分で決定されますが、特に「一般1」の区分は大人と子どもで上限額が異なります。これは、利用者の年齢やサービスの種類によって、負担能力に応じた配慮がなされているからです。

具体的な区分と上限額は、以下のとおりです。

  • 生活保護と低所得は0円
  • 一般1の大人は9300円
  • 一般1の障がい児は4600円
  • 一般2は3万7200円

所得割額が低い場合でも、20歳以上の「入所施設」や「グループホーム」の利用者は一般2に該当します。一般1の条件を満たしていても、利用するサービスによっては負担額が変わることを理解しておきましょう。

参考1:厚生労働省『障害者の利用者負担

参考2:練馬区『サービス利用時の自己負担について(利用者負担)

所得区分を認定する世帯範囲の定義と例外

所得区分を判定する際の「世帯」の範囲は、住民票上の世帯とは異なり、利用者の年齢などで独自に定義されています。18歳以上の障がい者の場合は、親と同居していても「ご本人と配偶者のみ」の所得で判断する仕組みです。

一方で、18歳未満の障がい児の場合は、保護者が属する住民票上の世帯全員の所得が判定の対象となります。この違いを混同すると、本来よりも高い区分で認定されるなどのミスが起きやすくなるでしょう。

ただし、18歳や19歳の方が施設に入所している場合に限り、例外的に保護者の世帯所得で判断するルールがあります。年齢だけでなく、施設入所の有無も確認したうえで、正しい世帯範囲を特定しましょう。

認定に使用する所得の対象年度と切り替え時期

負担上限月額の決定に使用する住民税の情報は、毎年7月を境に対象となる年度が切り替わります。これは、自治体における住民税の決定時期に合わせて、参照する所得データを更新するためです。

具体的には、1月から6月までは「前年度の住民税」を、7月から12月までは「今年度の住民税」をもとに判定します。そのため、利用者の収入が変動しても、すぐに障がい福祉サービスの利用者負担の計算方法や金額が変わるわけではありません。

昨年の所得増減が反映されるのは翌年の7月以降になるため、利用者への説明時にはタイムラグについて触れると親切です。切り替え時期を把握し、負担額の変更が予想される利用者には事前に案内しましょう。

参考:大阪市『障がい福祉サービスの利用者負担及び軽減措置

利用者負担の計算対象となる費用の内訳

利用者が支払う費用は、上限管理の対象となる定率負担と、対象外の実費負担に分けられます。しかし、医療ケアを伴う場合は特例があります。原則として定率負担のみが上限月額の対象ですが、療養介護などは医療費も含めて負担軽減する仕組みがあるからです。

食費や光熱水費、家賃といった実費負担については、基本的に上限管理の計算には含まれません。ただし、これらについても「補足給付」などの軽減措置が適用され、実際の支払額が調整されるケースが多くみられます。

「医療型個別減免」などの例外も含め、個々のケースに合わせてトータルの負担額を算出することがポイントです。制度の全体像を把握し、利用者が安心してサービスを使えるよう丁寧に説明しましょう。

障がい福祉サービスの利用者負担の計算方法

障がい福祉サービスの利用者負担の計算方法は、3つのステップを順に追えば確実に算出できます。上限となる金額を確定させ、その後に実際の利用料と比較するという流れが基本です。

ここでは、実費負担の扱いや医療型サービスの特例など、間違いやすいポイントを含めた手順について解説します。

手順1:世帯全体の所得区分を正確に確認する

利用者の世帯が4つの所得区分のうちどこに該当し、負担上限月額がいくらになるかを特定することから始めます。この上限額が「定率負担」における支払いの天井となるため、計算全体の土台となる情報の確認が欠かせません。

18歳以上の場合はご本人と配偶者のみ、18歳未満の障がい児は保護者の世帯全体など、世帯範囲の定義を正しく適用する必要があります。施設に入所している18歳や19歳の方については、特例として保護者の世帯で判断するケースもあります。

毎年7月には参照する住民税の年度が切り替わるため、常に最新の課税状況を確認して区分を認定しましょう。

参考:厚生労働省『障害者の利用者負担

手順2:サービス総費用の1割負担額を算出する

その月に利用したサービスの総費用を計算し、その1割にあたる「定率負担額」を算出します。障がい福祉サービスは「応能負担」が原則であり、利用した分だけの費用を負担する仕組みになっているからです。

たとえば、総費用が10万円であれば、その1割である1万円がこの段階での計算額となります。この際、療養介護などの医療型サービスでは医療費も計算に含めますが、食費や家賃といった実費分はここには含まれません。

上限額と比較する前の準備として、利用実績に基づいた1割分の金額を正確に割り出しましょう。

手順3:算出額と上限月額を比較し決定する

手順2で算出した「1割負担額」と、手順1で確認した「負担上限月額」を比較し、低い方の金額を「定率負担」の請求額として決定します。利用者の経済的な負担が過重にならないよう、上限を超えた分の定率負担は支払う必要がないルールになっています。

ただし、ここで決定した金額に加え、食費や光熱水費、家賃などの実費負担分は別途上乗せして請求されるため注意が必要です。上限月額で止まるのはあくまで福祉サービスの利用料部分のみであるため、トータルの支払額については誤解のないよう丁寧に説明しましょう。

利用者負担の上限管理と事務処理の流れ

複数の事業所を利用する場合、支払い総額が上限を超えないように調整する「上限管理」という手続きが発生します。この業務は事業所間の連携や複雑な計算を伴うため、正確な事務処理の流れを把握しておかなければなりません。

ここでは、障がい福祉サービスの利用者負担の計算方法において重要な、管理事業所の決定や具体的な調整フローについて解説します。

複数利用時の上限額管理事業所の決定

上限管理を行う事業所は、利用者が自由に決めるのではなく、サービスの利用頻度などに基づいた優先順位で決定される仕組みです。原則として最も契約日数の多い事業所が上限管理を行い、スムーズな連携を行うために一定のルールが設けられています。

市町村から届出書を受け取った後、相談支援専門員などと相談して候補を決め、事業所の承諾を得て行政へ提出します。受給者証に事業所名が記載されることで正式な決定となるため、手続きの流れを利用者に案内しましょう。

実務で使う利用者負担額一覧表の作成方法

管理事業所は、関係するすべての事業所の利用状況を集約し、本来の1割負担額の合計と上限月額を比較して一覧表を作成します。基本的にはサービス報酬額の1割が対象ですが、利用するサービスの種類によって計算に含める範囲が異なるため注意が必要です。

原則として食費や家賃などの実費は対象外ですが、療養介護などの医療型サービスでは、特例として医療費なども合算したうえで上限管理を行います。

障がい福祉サービスの利用者負担の計算方法を誤らないよう、利用者のサービス内容をよく確認して内訳を算出しましょう。

上限管理における他事業所との調整・連携フロー

上限管理事業所になった場合は、毎月他事業所から実績報告を受け取り、全体の負担額を確定させて結果を通知します。合算額が上限を超えているときは、管理事業所が中心となって各事業所の請求額を割り振る調整をします。

具体的な事務処理の流れは以下のとおりです。

  • 他事業所から利用実績の報告を受ける
  • 合算額を調整して請求額を決定する
  • 結果票を送付し国保連へ請求する

確定した金額を記載した管理結果票を関係先に送付し、国保連合会への請求データにもその内容を正確に反映させましょう。

利用者へ負担額を説明する際のポイント

正確な計算ができるようになったとしても、それを利用者に正しく伝えられなければ信頼は得られません。障がい福祉サービスの利用者負担の計算方法は複雑であり、そのまま伝えると誤解を招く恐れがあります。

ここでは、専門用語を使わずに正確に伝える工夫や、実費負担を含めたトータルの費用について誤解なく説明するためのポイントを解説します。

専門用語を避けて平易な言葉に言い換えて伝える

説明をする際は「応能負担」などの専門用語は避け、日常会話のレベルに落とし込んで話す必要があります。聞きなれない言葉を並べ立てると、利用者が制度自体を難解で怖いものだと感じてしまうからです。

たとえば「1割負担ですが、収入に合わせて上限額という天井が決まっています」と伝えれば、費用面の不安を軽減できます。また、世帯範囲についても「施設入所の18歳・19歳といった例外を除き、成人はご本人と配偶者の方だけで判断します」と正確に伝えましょう。

非課税世帯の場合も「サービス利用料は0円ですが、食費などの実費はかかります」と付け加え、完全無料と誤解されないよう配慮します。

複雑な仕組みを図解や具体例を用いて解説する

算出した1割負担額と上限月額を比較して決定する仕組みは、口頭の説明だけでは十分に伝わりません。具体的な金額をあてはめた事例を示すことで、利用者は実際の支払額を具体的にイメージできるようになります。

わかりやすい比較例は、以下のとおりです。

  • 計算額が5000円の場合:請求額は5000円
  • 計算額が2万円の場合:請求額は9300円
  • 複数利用で合計1万3000円:請求額は9300円

このように、1割負担の部分は上限額でストップしますが、食費などの実費は利用した日数分だけ加算されることを強調しましょう。言葉だけでなく、数字や図を使って視覚的に説明することが、制度の理解を促す近道です。

高額請求への利用者の不安を事前に解消する

サービス利用前に利用者が抱えている、費用面での漠然とした不安を先回りして解消することが求められます。定率負担には上限があること、実費負担にもさまざまな軽減措置があることを伝えれば、経済的な懸念は大きく和らぎます。

具体的には、グループホームの家賃助成や、施設入所時の補足給付など、実際の支払額を抑える仕組みを案内しましょう。ご家族で複数人が利用する場合の「世帯合算」による還付制度についても触れておくと親切です。

「思ったよりも負担は抑えられる」と正しく理解してもらうことで、利用者は安心してサービスの利用を開始できます。

利用者負担計算に関わる減免と軽減制度

障がい福祉サービスの利用者負担の計算方法をマスターするには、定率負担の算出だけでなく、さまざまな減免制度についても知っておく必要があります。標準的な計算だけでは負担が重すぎるケースでも、制度を適用することで支払いが可能になる場合が多いからです。

ここでは、高額請求への対策や実費負担の軽減など、利用者の生活を守るための4つの仕組みについて解説します。

参考:厚生労働省『障害者の利用者負担

高額障がい福祉サービス費の対象と適用条件

世帯内で複数のサービスを利用し、負担額の合計が基準額を超えた場合、超過分が「高額障がい福祉サービス等給付費」として払い戻されます。障がい福祉サービスだけでなく、介護保険や補装具費なども合算対象とし、世帯全体の負担を抑える仕組みになっているからです。

具体的には、一般世帯であれば月額3万7200円が上限基準となり、これを超えた金額が償還払いの対象となります。65歳になって介護保険へ移行した方に対しても、要件を満たせば負担が増えないように調整する特例措置も設けられています。

申請が必要な制度なので、対象になりそうな利用者には積極的に案内し、負担軽減につなげましょう。

医療型個別減免の対象者要件と計算の仕組み

「療養介護」などを利用し、継続的な医療ケアを必要とする方に対しては、福祉サービスの負担に加えて医療費なども含めた減免措置があります。通常の定率負担だけでなく、医療費や食事療養費も重なることで、経済的な負担が限界を超えてしまうのを防ぐためです。

20歳以上の低所得者の場合、障がい基礎年金などの収入から利用料を引いても、手元に最低2万5000円が残るように上限額が設定されます。20歳未満であっても、地域で子育てをする世帯と同程度の負担水準になるよう、所得に応じて調整されます。

医療型サービス独自の計算方法を理解し、対象者の手元資金が確保されるよう正しく運用しましょう。

負担軽減を図る生活保護への移行防止策の概要

あらゆる減免制度を使っても利用料の支払いで生活費が不足し、生活保護基準を下回ってしまう場合に適用される最終的なセーフティーネットがあります。福祉サービスを利用した結果として、生活保護を受けなければならなくなる事態を未然に防ぐことが目的です。

高額障がい福祉サービス費や補足給付をすべて適用した後、それでも生活が立ち行かないときに、初めて負担上限月額や実費負担額を引き下げます。適用順位としては最後になりますが、利用者の自立した生活を維持するために不可欠な措置といえます。

経済的にギリギリの状況にある利用者にとって、最後の砦となる制度があることを覚えておきましょう。

実費負担を軽減する補足給付と家賃助成

定率負担以外の「実費」についても、所得の低い方や一部の課税世帯がサービス利用を諦めないよう、個別の事情に合わせた給付や助成が用意されています。食費や家賃といった生活に直結する費用は、定率負担の軽減だけではカバーしきれない部分が大きいからです。

主な軽減措置の内容は、以下のとおりです。

  • 施設入所:食費等を補い手元金を残す補足給付
  • 家賃助成:月額上限1万円(実費が低い場合は実費分)
  • 食事加算:一般1も対象、材料費のみの負担に軽減

グループホームの家賃助成は一律支給ではなく、家賃額に応じた上限設定があります。また、通所の食費軽減は課税世帯の一部も対象になるため、漏れなく案内して信頼獲得につなげましょう。

利用者負担の計算に関するよくある質問

現場の実務においては、利用者やご家族から料金に関する具体的な質問を受ける場面が多々あります。障がい福祉サービスの利用者負担の計算方法はケースバイケースで異なるため、正確な知識に基づく回答が求められるでしょう。

ここでは、特に問い合わせの多い生活保護受給者の扱いや、施設入所時の給付、65歳問題について解説します。

生活保護受給者の自己負担額はどう扱われる?

生活保護受給者の場合、サービスの定率負担は0円ですが、食費や家賃などの実費は原則として自己負担となります。利用者負担の上限額と実費の支払いは別のルールで運用されており、完全にすべての費用が免除されるわけではありません。

ただし、施設入所時の補足給付やグループホームの家賃助成など、実費に対しても手厚い軽減措置が用意されています。たとえばグループホームでは家賃に対し月額1万円を上限とした助成があり、個室での生活を支えています。

「すべて無料」と誤解されがちですが、実費分の支払いは発生するものの、生活に困らないよう配慮されていると説明しましょう。

施設入所時に適用される補足給付の仕組みとは?

施設入所支援を利用する際、食費や光熱水費を支払っても手元に現金が残るよう調整する仕組みが補足給付です。対象となるのは生活保護や非課税世帯の方に限られますが、全額自己負担による生活費の枯渇を防ぐ目的があります。

具体的には、障がい基礎年金などの収入から実費を引いても、20歳以上であれば月額2万5000円が必ず残るように給付額が決まります。就労収入がある場合はさらに控除枠が広がるため、働いた分だけ手元に残るお金も増える仕組みです。

働く意欲を削ぐことなく施設での生活を維持できる制度なので、対象者には就労支援と合わせてメリットを伝えましょう。

65歳移行時の新高額障がい福祉サービス等給付費とは?

65歳になり介護保険サービスへ移行する際、一定の要件を満たすことで負担増を防げるのが新高額障がい福祉サービス等給付費です。今まで負担ゼロだった低所得の方が、移行によって急に1割負担を求められるケースを救済するために設立されました。

対象となるのは、区分2以上などの条件に加え、以下の要件をすべて満たす方です。

  • 65歳になる前5年間特定のサービスを利用
  • 本人と配偶者が住民税非課税か生活保護
  • 65歳到達前に介護保険を利用していない

対象の介護サービスを利用した場合に償還払いで負担額が戻ってくるため、高齢になっても安心して地域生活を継続できます。

参考:厚生労働省『高額障害福祉サービス等給付費等に関する支給認定について

まとめ

本記事では、障がい福祉サービスの利用者負担の計算方法について解説しました。複雑な制度も、所得区分や世帯範囲の定義を正しく理解すれば、自信を持って利用者へ説明できるようになります。

まずは担当する利用者の課税状況や受給者証の記載内容を改めて確認し、今回の手順に沿って計算のシミュレーションを行ってみてください。正確な請求業務は事業所の信頼に直結しますが、もし実務での判断に迷いや不安がある場合は、専門家のサポートを受けるのも有効な手段です。

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